不安になる結人さんと甘やかす潤慶さん
大丈夫なんかじゃなかった。
いろんなことが悲しくて苦しくて、折れてしまいそうだった。
だって、だって。
(すきなのに。)
こんなに、こんなに好きで好きで大好きで、
世界で一番に、そう一番、一番大好きで大切で。
それなのに、
(俺は弱いよ。)
お前みたいに強くないよ、
世間体とか常識とか他人とか、
そんなものに縛られてしまって、声を上げることも出来ない
本当は好きだって愛してるって離さないでって
叫んで、叫んで。しまいたいのに。
もっともっと、望んでいるのに、
いつだってどこにいたって構わないから
抱きしめてキスをして指を絡めて笑いあいたいのに!
弱い俺は。
ごめんとやめてしか言えない、
どうして。
(辛い、苦しい、かなしい。)
(ごめん、)
だから、大丈夫なんかじゃないのに。
(それでもいいよ、だって、わかってるから、)
(言えなくたって、言ってくれなくたっていいよ、)
(僕は、ちゃあんとわかってるもん)
(すきでいてくれてるのも、辛いのも、)
(全部わかってるよ)
(それじゃあ駄目なの?)
(ちゃんとすきだって)
(ちゃんと愛してる、って)
(それだけじゃあ、駄目なのかな)
(ね、ほら、ゆーと)
(だいじょうぶだよ!)
泣き止まない俺を見てそうやって笑うから
おれの名前をいとおしそうに呼ぶから
ぎゅうと抱きしめて、キスをして、手を握ってくれるから
(そんなわけないのに!)
なんでも、大丈夫な気がした。
(…潤、)
(ん?)
(すき、だ)
(うん。)
(、ヨユーかよ)
(結人!)
(なに…)
(だいすきだよ!)
(う、ん)
(おれも)
(だいすき)
(あリがとう)
誰も知らない午後の隙間でキスをする、
潤慶の前でだけ弱気な結人にたぎります。
潤慶のストレートな愛情表現に不安になったりする、
でも、安心させてくれるのも潤慶。